11月27日の定例会では、藤本会員と、南部会員から、それぞれの勤務先におけるマーケティング/営業活動の事例を紹介頂きました。いずれの事例においても、コロナ禍により、従来の対面による営業活動が難しくなったため、新たな集客マーケティング手法に挑戦されており、それらの取組みの課題や効果まで披露いただき、大変、興味深い内容でした。その後は、各チームに分かれて、分科会活動を実施いたしました。
1.実施概要
開催日時
2021年 11月27日(土) 14:00-17:00
実施方法
オンライン会議(Zoom)形式
2.実施内容
製造業向けIT会社におけるマーケティング/営業活動の紹介(藤本会員)
藤本会員の勤務先はIT会社であり、製造業向けに外資系ベンダーが開発したSCMソリューションを提案されています。コロナ禍により、従来のセミナーによる新規顧客の集客が困難となったため、Webマーケティングを活用した集客方式に挑戦されています。
今や、顧客は必ずWebで情報収集してからベンダーに声を掛けるため、Webは必須ツールという位置付けとなっていますが、さらに検索エンジンからの集客、コンバージョンに至るシナリオの最適化のために、2021年12月~2022年3月で見直し予定。このため研究会会員との意見交換を実施いたしました。
会計事務所の課題と顧客拡大戦略 (南部会員)
南部会員の勤務先は、会計事務所であり、医療・介護関連企業向けに創業、事業計画策定支援を行われています。会計事務所では、昨今、顧客流動性が高まっており、常に新規を獲得しなければ、顧客は減少する状況となっています。
そこで、新規顧客拡大に向けた販路開拓の取り組みとして、近隣地域の新設法人向けにDM作戦を展開しています。DM作戦のポイントとして、経営者向けに手書きのメッセージを添えた内容とすること、初回、2度目、3度目とDMを3回送りながら顧客との関係性を深めていく点を紹介いただきました。
各チームの分科会活動
①情報発信チーム
8月にキックオフしたA社のホームページリニューアル支援について、年明け早々の完成に向けて進捗状況を確認しました。
その後、A社支援完了後の分科会テーマについて、メンバーから意見を募集しました。メンバー各位からは、下記の提案がありました。
①メンバーの顧問先のWebマーケティング施策の現状分析
②メンバーの勤務先のホームページの改善支援
③Webマーケティングに必要なマッチングサイトやECツールなどの周辺ツールの調査
それぞれの案を持ち帰り検討して、再度12月の研究会で協議することになりました。最後に、テクヨコ2022でセミナー発表を行う小川会員、三枝会員のプレゼン資料に関する意見交換を実施しました。
②売上拡大チーム
現在、事業再構築(業態転換)後の経営基盤整備のチェックリストを作成しております。最後のレビューはこれからですが、今回の定例会では、2月に開催されるテクニカルショウ・ヨコハマ2022において、どのように本コンテンツを活用するか議論しました。
基本的な流れは、以下の通り。
①来場者(中小企業経営者)に対して、まずは売上拡大クイック診断(生産財、消費財)を実施する。
②クイック診断結果の説明をしたうえで、チェック項目の23項目を見せて、気になる項目や問題を抱えている項目を選んでもらう。
③さらに細目を見せて、今後の方策を考えるきっかけにしてもらう。
なお、合せてフリップチャートに売上拡大チームのコンテンツ(営業の見える化や、事業再構築の基本整備)を描き、通行人にアピールしてはどうかというアイデアも出ました。最終判断はテクニカルショウ・ヨコハマに参加される相談員に委ねることとしました。
③営業力強化チーム
営業力強化チームは、10月より今年度の研究テーマの一つである「売れる新商品のアイデア」に取組むことにしました。11月は、メンバーが作成した「新商品評価シート」について検討しました(下図参照)。
評価項目を6項目挙げて、買い手の視点から一対比較によって相対的な重要度を定め、売り手の視点から項目毎に自己評価して、商品力を採点するものです。使いやすい簡易なツールで、商品コンセプトの擦り合わせと言う場面では有効だと評判が良かったです。
また自社の強みの市場での検証や競合分析にも利用できると思いました。一方、評価が中央値に寄りがちであったり、評価者に拠って傾向が強めに出たりすると言う留意点も分かりました。それらを踏まえ、支援先のお客様に適用していきます。
④販路拡大チーム
今月は、引き続き、販路拡大のフレームワークについての議論を重ね、最終的に販路拡大の相談が中小企業の経営者からあった場合、ご理解を深めて実践につなげるため、アウトプットとして、ストーリーボード(紙芝居) を作成することとしました。
中小企業経営者から販路拡大の相談を受けて5回程度のセッションでアウトプットを出していくためのフレームです。経営者にもわかりやすいツールと手順を踏まえ、個人で現在使っているツールも共有。「①強みの見える化、現状分析→②マーケット分析、販路拡大」の手順にてシンプルで効果的な進め方を作成予定です。来月は、下記の観点も踏まえ、1枚で全体俯瞰ができるツール作成の予定です。
①強みの見える化・現状分析
SWOT分析、顧客分析、 バリューチェーン(価値を生むプロセスは何か)、経産省ローカルベンチマーク、 ビジネス俯瞰図
②マーケット分析、販路拡大
アンゾフの成長ベクトル 、セグメンテーション、ポジショニングマップ、クロスSWOT、3C(過去、現在、未来)、5フォース、 PEST分析
3.最後に
当研究会では、新入会員に対して積極的に発表や活動の機会を得てもらおうというスタンスで運営されています。また、研究会内各チームの活動についてもそれぞれのテーマに真剣に取り組んでおり、中小企業にとって必要な支援策を生み出そうという気概に溢れた仲間が集まっています。ご興味を持たれた方は、ぜひ一度体験見学会にご参加ください。
(以上)