3月23日の定例会は、冒頭に、売上拡大チーム近藤 洋大会員から、「本格焼酎・泡盛の売り上げ拡大〜海外戦略の課題」を発表いただきました。次に、三浦勝典会員から、「インクルーシブデザインによる顧客ニーズ探索」を発表いただきました。その後、各チームに分かれて、分科会活動を行いました。
1.実施概要
開催日時
2024年 3月23日(土) 14:00-17:00
実施方法
リアルのみ
2. 実施内容
売上拡大チーム 近藤 洋大会員「本格焼酎・泡盛の売り上げ拡大〜海外戦略の課題」
海外市場において、日本酒の輸出は顕著に伸びているのに対して蒸留酒である本格焼酎・泡盛は苦戦している。当初、日本酒と同様に日本食ブームを利用した戦略をとっていたが、①日本酒に比べて知名度が低いこと、②海外では蒸留酒を食中酒として、しかもお湯等で割って飲む習慣がないことなどが壁となった。一方、海外での蒸留酒の市場は伸びており、勝機があること、及び本格焼酎・泡盛は製造技術及び品質の高さが強みとなりうることから、戦略を見直し、①英文等での情報発信を行う、②(品質の高さを活かして)蒸留酒の国際品評会での入賞実績を積む、③(欧米では)バーの市場を中心にアルコール分の高い原酒を売り込む、④新たなカクテルを考案してカクテルベースとしての利用の提案を行う、などの戦略をとっている。現在、ほんの少し芽が出てきた感があり、今後の発展が期待される。
三浦勝典会員「インクルーシブデザインによる顧客ニーズ探索」
インクルーシブ デザインとは、高齢者、障がい者、外国人など、従来デザインプロセスから除外(Exclude)されてきた多様な人々を、デザインプロセスの上流から巻き込み(Include)、一緒にデザインを行っていく、イギリス発祥のデザイン手法のことです。
従来製品の改善だけでなく、社会課題に抽象化し、昇華することで、今までにないまったく新しい製品・サービスを生み出すきっかけに、さらに、社会全体がより包摂的で持続可能なものになることが期待できます。抽出した社会課題と自社の強みを掛け合わせて、目指すべき方向性・問題定義を行います。
問題定義のスコープを拡張することで、従来製品・サービスの改善だけでなく、自社の強みを活かす新しい価値/新事業創造の探索に活用できます。
3. 分科会活動
新事業開発チーム
今回は年度末の打合せとなったため、今年度の振り返りと来年度の活動方針についてディスカッションを行いました。先ず、今年度に取り組んできた課題については、軌道修正を加えていきながら来年度も継続していく方針を確認しました。それに加えて来年度は、我々が出来る「支援メニュー」を作成し、事業者に提案していくことに取り組むことを決めました。この新しい取り組みについては、別途打合せの機会を作り、具体的な進め方を協議することにしました。来年度は、さらに事業者に寄り添った活動が具体的にできるような取り組みに挑戦していきたいと考えています。
ブランドチーム
ChatGPTを活用したブランディングについてディスカッションしました。
目的、比較対象、評価方法などを検討する段階でProPadelJapan株式会社 松島様にご協力いただきパデルの対象としたブランディングについて提案させて頂くことになりました。具体的には、ブランドチームで用いているフレームワークを基にChatGDPを活用します。次回は、具体的なアクションプラン・ロードマップについて検討して行きます.
情報発信チーム
情報発信チームは、現在支援中のM社の状況確認と、来年度の活動に関する意見交換を実施した。
■M社の状況確認
2月から3月にかけて、1)Googleの検索広告、2)ディスプレイ広告、3)Instagram広告の3種類のオンライン広告の配信を試行した。この時期に、1) 著名なブロガーに記事として取り上げられた、2)日テレの朝の番組(ZIP)に取り上げられた、3)楽天スーパーセールが重なったこともあり、楽天市場での売上が急増した。
今回の試行によって、3種類のオンライン広告のうち、3)Instagram広告のコンバージョン率とCPA(顧客獲得単価)が良好なことが判明したため、4月以降は、Instgram広告を定常運用していく予定。
■来年度やること
1) 理論
デジタルマーケティングにおけるSNS活用(Facebook/Instgram/X/LINE)について、ターゲットに合わせた使い方/アクセスの増やし方などについて、メンバーによる輪番形式で勉強会を開催する。
2) 実践
長瀬会員の知り合いの事業者が新規事業として、障害者施設で作ったお菓子の販売を手掛けているが、その拡販の相談を受けているとのこと。そこで、この事業者に対して、SNS活用したプロモーションの提案を行って、了解が得られたら、この事業者の支援を行うこととした。
売上拡大チーム
売上拡大チームでは、過去に作成したコンテンツについて活用方法の検討を行っています。
その中で、「転ばぬ先の事業整備」をベースにパワポで音声付きスライドショーのコンテンツを作り、当研究会のホームページやフェイスブックでの発信、また、セミナーなどでアピールすることにしました。
まずは、経営基盤の整備の「商品・サービス」について、商品力強化、知的財産管理、品揃え戦略、販売促進、価格管理の5項目に担当を振り分け、1項目300字~400字程度のナレーション原稿を、次回定例会までに作成することにいたしました。
4.最後に
当研究会では、新入会員に対して積極的に発表や活動の機会を得てもらおうというスタンスで運営されています。また、研究会内各チームの活動についてもそれぞれのテーマに真剣に取り組んでおり、中小企業にとって必要な支援策を生み出そうという気概に溢れた仲間が集まっています。ご興味を持たれた方は、ぜひ一度体験見学会にご参加ください。
(以上)