2022-2-26 定例会報告

2月26日の定例会では、大島会員と小坂会員から、それぞれ『DXで活用できるロボティクス事例』と『消費者白書からみたインターネット活用状況および課題』について発表いただきました。DXで活用できるロボティクス事例では需要が増加している清掃ロボットの業界動向や少子高齢化やインフラ老朽化などの社会課題の解決への挑戦についてお話いただきました。消費者白書からみたインターネット活用状況および課題では、コロナ禍を機に変化しつつある消費者購買行動の変化について共有いただき、便利になった反面、増加しているトラブルや今後の課題についてお話いただきました。その後は、いつも通り、各チームに分かれて、診断ツールの開発や、従事中の企業支援に関する打合せが行われました。

1.実施概要

開催日時

2022年 2月26日(土) 14:00-17:00

実施方法

オンライン会議(Zoom)形式

2.実施内容

大島会員による発表「DXで活用できるロボティクス事例」

大島会員は清掃ロボットを開発・製造・販売する企業の営業職として勤務されています。今回は、清掃ロボの利用シーンや業界動向、自社および競合の状況、今後の課題という内容でお話いただきました。

・清掃ロボットの市場動向

清掃用ロボットの市場は2021年では105億円程度だが2024年度は150億円になると予測される成長分野である。

 ・清掃ロボットとは

大島会員が所属する企業が製造・販売する清掃用ロボットは全て業務用である。閉店後・開店前の施設での稼働が多く、人の目に触れる機会は多くない。

 ・清掃ロボットの利用目的

大型商業施設、工場、駅・空港などの施設が主な導入先である。導入理由は人手不足対策やコスト削減、働き方改革といった項目が上位を占めている。

 ・競合状況

以前は欧州製が強かったが、最近は中国製が拡大している。

 ・今後の展開・課題

AI機能の搭載による高機能化、機体の小型化によって更なる普及が期待されている。また、非常時にオペレータが一次的に遠隔操作を行う機能や、多数のロボットを一元管理するプラットフォームの構築が求められている。

小坂会員による発表「消費者白書からみたインターネット活用状況および課題」

小坂会員はIT企業で社内情報システムの開発保守運用を担当されており、専門はSAPである。今回は専門分野から離れて消費者白書をから読み取れる消費者行動の変化について、お話いただいた。

 ・インターネットを利用した購買の変化(2018-2020)

全世代で増加しているが、支出の絶対金額は若年世代が多い。

 ・商品・サービスの分野別動向

家電・家具、衣類・履物、書籍、音楽・映像・ゲームの商品分野でインターネット購入が増えている。(小坂会員としては、『従来は『買い回り品』として、分類された商品もインターネット購入が増えていることについて消費者行動の意識変化を感じている。衣類についてはバーチャル試着などの技術が開発されたことも、インターネット購入が増加する一因と分析)

音楽に関してもインターネット購入が増えているが、オンラインで楽曲を配信するサービスは複数あり、これらを網羅し、消費者との接点を増やす工夫が行われている。 

・インターネットでの購入に関するトラブル

利用機会の増加に伴い、トラブルの件数も増加している。特に増加しているのは商品(通販)系のトラブルである。具体的には商品の未着、注文と異なる商品の配送、業者との連絡不能などのトラブル相談が急増している。

 ・まとめ

若い世代ではインターネット支出の増大に伴い、トラブルも急増している。正しい知識とセキュリティの知識を持たなければならない。逆に中高年世代は、若い世代に比べてインターネット購入は比較的消極的であるため、マーケティング視点から見れば潜在的な顧客層に入る。ただし、若い世代よりもセキュリティの対策が難しい場合も多く、環境の整備が求められる。

各チームの分科会活動

①情報発信チーム

A社ホームページリニューアル案件と1月から開始したE社ホームページにおける集客アップ案件について、各担当から状況を報告しました。

A社ホームページリニューアルは、現在ホームページコンテンツは完成し、A社の旧ホームページからの切り替えタイミングを調整している状況。切替と同時に引継ぎを行う予定で、その時に説明するドキュメント(ホームページ仕様書、運用マニュアルなど)を共有しました。

E社集客アップ案件は、先日行ったヒアリングを元にE社の3C分析を行い、見込顧客への訴求力を高めるホームページのデザインを検討し、新ホームページのワイヤフレームを作成しました。本日の定例会のあと、E社とのレビューを行います。

②売上拡大チーム

先月の定例会以降、メンバー全員で手分けして売上拡大事例(埼玉県よろず支援拠点による支援事例)の30件の要約を行いました。

 今回の定例会では、売上拡大事例30件の要約したものを、この先どのように料理していくか検討しました。

 結果、業態ごとにその特性に応じた売上拡大の道筋(または枠組み)があることで全員の認識が一致しました。

 次回の定例会までに、30件の売上拡大事例を改めて業態ごとに一覧表に整理することとしました。

 次回の定例会以降は、一覧表を作成したうえで業態に応じた道筋(または枠組み)を全員で検討していきます。

③営業力強化チーム

営業力強化チームは、「商品力」×「サービス力」提案の事例を持ち寄って研究しています。今月は、保険会社とインターネット企業の対応事例をもとに検討しました。どちらも商品説明の段階で、お客様の不興を買う事例でした。

フロントの営業は、コミュニケーション能力を問われますが、ITツールを活用することで属人化を排し、営業力の底上げを図ることが出来ます。具体的な提案には至りませんでしたが、次月以降も事例からの検討を継続していきます。

④販路拡大チーム

先月に引き続き、中小企業経営者から販路拡大の相談を受けて5回程度のセッションで アウトプットを出していくためのフレームについて、検討しました。

3.最後に

当研究会では、新入会員に対して積極的に発表や活動の機会を得てもらおうというスタンスで運営されています。また、研究会内各チームの活動についてもそれぞれのテーマに真剣に取り組んでおり、中小企業にとって必要な支援策を生み出そうという気概に溢れた仲間が集まっています。ご興味を持たれた方は、ぜひ一度体験見学会にご参加ください。

(以上)