2023-01-28 定例会報告

ブランディング

年が明けて最初となる1月28日の定例会はオンラインとリアル会場でのハイブリッド開催となりました。最初に、ブランドチームから「マーケ研が備えるブランド基盤とは」のテーマについて、グループに分かれて意見を出し合うセッションが行われました。続いて、吉田 由紀会員から「中小企業のための技術ブランディングの勧め」、加治屋 賢司会員から「先生ビジネスのマーケティング」という題目で発表がありました。後半は、各チームに分かれてチームのテーマに沿って討議が行われました。

1.実施概要

開催日時

2023年 1月28日(土) 14:00-17:00

実施方法

オンライン会議(Zoom)形式 + 会場(Lプラザ)

2. 実施内容

1)ブランドチーム・セッション「マーケ研が備えるブランド基盤とは」

 ブランドチームの来期テーマのインプットとすることを目的とし、「マーケ研が備えるブランド基盤とは」を4チームに分かれて議論しました。具体的に、チームは、診断士向け、中小企業向け、金融機関向け、公的機関向け(自治体)をターゲットに、想定課題、解決方針、マーケ研が備えるブランド基盤について60分でアウトプットし、相互発表を行うことで理解を深めました。

 結果は、マーケ研が備えるブランド基盤として、3点に収束できることが明らかになりました。今後も中小企業・金融機関・行政との伴走パートナーとして、マーケ研の会員一人一人が相互研鑽し、ブランド基盤を盤石にすることが重要と考えます。

  ①場:実践の場の存在

  ②知力:マーケティングの専門性を保有

  ③現場力:多様な人材・豊富な実績

図 ブランドを人間を例に考える

図 ブランド基盤の構造

2)会員発表「中小企業のための技術ブランディングの勧め」吉田 由紀会員 

新入会員の吉田由紀会員から、自己紹介と「中小企業のための技術ブランディングの勧め」について説明がありました。目に見えない「技術」を売りにしている企業にとって、自社ブランドを考えるとなると非常にハードルが高く感じられてしまうかも知れませんが、「3つの条件」(以下の図に記載)が揃えばブランディングができることについて事例を交えてわかりやすく紹介されました。

朝ドラの企業(フィクション)を題材にしたユニークな解説もあって、会員からの質疑がとても盛り上がりました。

3)会員発表「先生ビジネスのマーケティング」加治屋 賢司会員

新入会員の加治屋賢司会員から、自己紹介と「先生ビジネスのマーケティング」について説明がありました。加治屋さんは昨年6月に独立され、Web主体で集客したいとの思いで受講した講座の内容をベースに、士業としての集客ノウハウについてとても丁寧に解説されていました。下の図の7つの力のうち「伝達力」の1つ、キャッチコピーで押さえておくべき3つのポイント、すなわち、①誰向けかがすぐにわかる②メリットがすぐにわかる③具体的である、がすぐに実践できそうでとても参考になりました。

加治屋さんが受講した講座は診断士関連のSNSの広告でよく目にするため、会員から受講料などのやや突っ込んだ質疑があるなど、関心の高さがうかがえました。

4)各チームの分科会活動

(1)ブランドチーム

 ブランドチームでは、「超実践!ブランドマネジメント入門」の毎月1チャプターごとに輪読を行っております。1月の定例会においては、チャプター8「らしい活動」を考える、についてを行いました。

 内容としては、「ブランドらしい活動」とは、「ブランドの基盤(ブランドコンセプト)に基づく活動の事であり、ブランドに接する人(ステークホルダー)は社員を除きすべて結果で判断します。結果とは、広告、イベント、店舗、担当者、実際の商品、サービスの体験、問い合わせ、トップの挨拶、インターネットの評判などすべてのブランドタッチポイントであり、その会社の社員が関与しており、どこかの部署の誰かの行為により、悪い評判も良い評判も会社全体に及びます。

 パッケージ(包み紙)はブランディングではVI(ビジュアルアイデンティティ)であり、「見せ方、見え方」であるのに対し、中身とは「らしい活動そのもの」であり、「らしい活動」という中身こそがブランディングの成否を決めます。つまり、デザインに力を入れ、見栄えが良くなったとしても肝心の中身がそれにふさわしいものでなかったら期待を大きく裏切ることになりますので、中身である「らしい活動」を進める事が重要になります。

 「らしい活動」を進めるためには、「ブランドで課題解決するとすればどうしたらいいか」という見方で考えてみる。つまり課題解決の軸を定め、解決の方向性を探る事が重要です。

 いつもの仕事をブランドを軸に見直してみることは、見落としていたことに気づいたり、新たな発見をすることがありますので、迷ったらブランドに返り、ブランドコンセプトに基づき、仕事の「ブランドらしい活動」を意識した行動を行っていくのが重要である事を学びました。

(2)情報発信チーム

12月から開始した東北地方の食品加工卸M社のBtoCマーケティング支援の具体策について話し合いました。

今月は、1月にリニューアルしたホームページを見ながら、メンバーから消費者の立場で、訴求できているか、分かり易い内容になっているかなどコメントをもらいました。

また、ECサイトへの流入データを見ながら、流入分析をしました。ECサイト内での検索結果よりも、外部サイトからの流入の件数が、比較的多いが、一方でコンバージョン率が約3%と、全体平均の5%に比べて低いため、目標を5%として、ショップのランディングページの改善を行うことを改善アクションとすることにしました。

また、デバイス別では、PCよりもスマホからの流入が多いが、コンバージョン率は、スマホからの方が低いため、スマホの画面サイズの範囲内でM社のコンセプトを訴求するキャッチが必要ということを、M社にアドバイスすることとしました。

引き続き、継続的な支援をサポートをチームで行っていきます。

(3)売上拡大チーム

売上拡大チームでは、毎年会員が検討したいテーマを出し合い、1年かけて内容を協議し、成果をまとめています。今回は、今年度の活動テーマ予定である「中小企業の新商品・新サービス開発」に対して、各人が中小企業診断士として顧客からアドバイスを求められたら、どのような観点で、どのような切り口から、どう実施するかを、具体的な事例イメージをもって準備した宿題を発表していただきました。来月は、今月の検討内容をさらに深めて検討を進める予定です。

3.最後に

今月は2名の新規メンバーにオブザーバーとして参加いただきました。

当研究会は現状ハイブリッドでの開催を行っています。ご自身のライフスタイルに合わせて研究会にご参加いただけますので、お気軽にメンバーに加わっていただければ幸いです。当研究会は診断士として企業の支援の質を上げるべく真剣でオープンな議論を行っています。ご興味を持たれた方はぜひ一度体験見学会にお気軽にご参加ください。

(以上)