2023-02-25 定例会報告

マーケティング

2月25日の定例会はオンラインとリアル会場でのハイブリッド開催となりました。今回は、与那覇 幸子会員から「日本の半導体はなぜこうなってしまったのか?」、吉江 裕子会員から「市場データが無い! ニッチ市場の商品企画」という題目で発表がありました。後半は、各チームに分かれてチームのテーマに沿って討議が行われました。

1.実施概要

開催日時

2023年 2月25日(土) 14:00-17:00

実施方法

オンライン会議(Zoom)形式 + 会場(Lプラザ)

2. 実施内容

1)会員発表「日本の半導体はなぜこうなってしまったのか?」与那覇 幸子会員 

与那覇幸子会員から、自己紹介と「日本の半導体はなぜこうなってしまったのか?」について説明がありました。半導体業界の歴史について、当時の与那覇会員の仕事を絡めながら説明がありました。その後、3Cの観点で日本の半導体企業はなぜこうなってしまったのか?の考察について説明があり、他の会員それぞれにも日本の半導体業界の凋落について考えさせるような内容となっていました。

2)会員発表「市場データが無い! ニッチ市場の商品企画」吉江 裕子会員

吉江裕子会員から、自己紹介と「市場データが無い! ニッチ市場の商品企画」について説明がありました。幅広い業務を経験した吉江会員ならではの視点で、ニッチ市場においてどのようにマーケティング活動してゆくべきかの解説がありました。特機モニターの商品企画担当時の実体験をもとに商談デモやそのアフターフォローでのポイントの説明がありました。ニッチ市場の商品企画という中小企業支援に欠かせないトピックのため、質問内容からも他会員の関心の高さが伺えました。

4)各チームの分科会活動

(1)ブランドチーム

 ブランドチームでは、「超実践!ブランドマネジメント入門」の毎月1チャプターごとに輪読を行っております。1月の定例会においては、チャプター8「らしい活動」を考える、についてを行いました。

 内容としては、「ブランドらしい活動」とは、「ブランドの基盤(ブランドコンセプト)に基づく活動の事であり、ブランドに接する人(ステークホルダー)は社員を除きすべて結果で判断します。結果とは、広告、イベント、店舗、担当者、実際の商品、サービスの体験、問い合わせ、トップの挨拶、インターネットの評判などすべてのブランドタッチポイントであり、その会社の社員が関与しており、どこかの部署の誰かの行為により、悪い評判も良い評判も会社全体に及びます。

 パッケージ(包み紙)はブランディングではVI(ビジュアルアイデンティティ)であり、「見せ方、見え方」であるのに対し、中身とは「らしい活動そのもの」であり、「らしい活動」という中身こそがブランディングの成否を決めます。つまり、デザインに力を入れ、見栄えが良くなったとしても肝心の中身がそれにふさわしいものでなかったら期待を大きく裏切ることになりますので、中身である「らしい活動」を進める事が重要になります。

 「らしい活動」を進めるためには、「ブランドで課題解決するとすればどうしたらいいか」という見方で考えてみる。つまり課題解決の軸を定め、解決の方向性を探る事が重要です。

 いつもの仕事をブランドを軸に見直してみることは、見落としていたことに気づいたり、新たな発見をすることがありますので、迷ったらブランドに返り、ブランドコンセプトに基づき、仕事の「ブランドらしい活動」を意識した行動を行っていくのが重要である事を学びました。

(2)情報発信チーム

今月も、情報発信チームメンバーの顧問先である東北地方の食品加工卸M社のBtoCマーケティング支援の具体策について話し合いました。

今月は、M社の楽天市場サイトについて、事前に各メンバーに評価して貰った上で、グループディスカッションで課題と改善点を洗い出しました。

まず、楽天RMSから得られるユーザーの年齢及び地域分布のデータ、ユーザレビューに書かれた内容から、M社サイトで商品を購入するユーザーのペルソナを設定しました。

●食事改善や健康のためにM社の商品が良いことを知り、スマホからリピートで注文している30~50代の共働きの夫婦

●スーパーの商品は味付けが濃いため、ネットで無添加で味付けされていない商品を注文している。

次に、楽天トップで商品でキーワード検索してから、購入するまでの各フェースにおけるカスタマージャーニーマップを作成しました。その上で、購入者のフェーズごとに課題と改善策を洗い出しました。

研究会メンバーからは、「ターゲットを30~50代の共働きの夫婦」を想定すると、1万円未満の買い物は基本スマホ。スマホ対応の画面を用意した方がよい」「他社の製品と比べて”なぜ高いのか”の価値が伝わるように工夫したい」などの意見が寄せられました。

引き続き、継続的な支援をサポートをチームで行っていきます。

(3)売上拡大チーム

売上拡大チームでは、毎年会員が検討したいテーマを出し合い、1年かけて内容を協議し、成果をまとめています。今回は、今年度の活動テーマ候補である「中小企業の新商品・新サービス開発」に対してのゴール・進め方を協議しました。議論のヒントとして、与那覇会員より「『日経MJ』の新商品紹介」と題して、新商品企画の事例集から訴求ポイントを抽出した研究成果を発表いただきました。来月定例会までの宿題として、中小企業のB2Cでの成功事例から(新商品・新サービス開発に至った)背景・狙いを想定・深掘りし、訴求ポイントの抽出を持ち寄り、議論を深めていく予定です。

3.最後に

今月は2名の新規メンバーにオブザーバーとして参加いただきました。

当研究会は現状ハイブリッドでの開催を行っています。ご自身のライフスタイルに合わせて研究会にご参加いただけますので、お気軽にメンバーに加わっていただければ幸いです。当研究会は診断士として企業の支援の質を上げるべく真剣でオープンな議論を行っています。ご興味を持たれた方はぜひ一度体験見学会にお気軽にご参加ください。

(以上)