2023-09-24 定例会報告

9月24日の定例は、冒頭に、鈴木 誠会員から「眼鏡業界の現状と課題」、長瀬 真弓会員から「チョコレートのサステナビリティと価値訴求」と題して、自身の関わる業界に関するマーケティングの最新話題を紹介いただきました。その後、各チームに分かれて、分科会活動を行いました。最後に、新事業開発チームによる「診断士vs. 生成AI コーヒーショップの商品パッケージの考案」をテーマにセッションが行われました。

1.実施概要

開催日時

2023年 9月24日(土) 14:00-17:00

実施方法

オンライン会議(Zoom)形式 + 会場(Lプラザ)

2. 実施内容

鈴木 誠会員:「眼鏡業界の現状と課題」

鈴木さんの発表は、ご自身の経歴(コンタクトレンズ、眼鏡小売販売)をご説明した後、実際に11店舗をリサーチしてまとめられた眼鏡業界のポジショニングマップや、企業にヒアリングして推定した損益モデルの紹介がありました。型破りで勢いのある眼鏡メーカーがシェアを伸ばしていくとの予測も披露されました。

今後の眼鏡業界の展望として、45歳以上を対象とした老眼鏡、75歳以上を対象とした白内障対応眼鏡の需要が高まるものの、10年後は減少に転じる予測となっています。一方で、オートフォーカスメガネのクラウドファンディングに大量の資金が集まるなど、新たな注目商品も登場しています。ECに馴染まない眼鏡業界ですが、何らかの形で対応していく必要があると考えられます。中小眼鏡店の短期的な売上向上策としては、累進多焦点レンズの販売強化、眼科との連携強化、ヒアリング力や提案力の向上が求められるとのことです。

長瀬 真弓会員:「チョコレートのサステナビリティと価値訴求」

長瀬さんの発表は、ご自身の経歴(製菓用チョコレートメーカーのマーケティング担当)をご説明した後、チョコレートの製造工程、チョコレートの重要課題として、世界最大のカカオ生産国であるコートジボワールの生産者の現状が紹介されました。世界最貧国に数えられる国で、チョコレートメーカー等が支援プログラムをはじめており、徐々に効果が出ています。一方で、支援や寄付金が含まれるチョコレート商品の購買意向は日本は相対的に低く、消費者側の理解や共感が求められています。メーカーとしては消費者の自己実現価値まで訴求した価値の提案を今後強化していきたいと考えているとのことです。

新規事業開発チームセッション:「診断士vs. 生成AI コーヒーショップの商品パッケージの考案」

生成AIの使用法の説明の後、人間診断士チームと生成AIチーム、リアル会場とオンラインでそれぞれのチームに分かれて、与件(コーヒー製造販売業)のペルソナ設定とペルソナに訴求する仮説設定、パッケージ案の作成に取り組みました。30分という限られた時間でグループワークを実施。パッケージまでたどり着けたのは、共に会場の生成AIチーム、人間診断士でした。参加者からの投票の結果、この2チームが同数で1位に選ばれました。

参加者からは、①生成AIであっても、完全な自動化は難しいものの、十分活用の余地がある、②生成AIと人間のハイブリッドが最も利用価値が高いのでは、などの意見が寄せられました。今後の診断士活動では生成AIとの上手な付き合い方が求められていくものと思われます。

新事業開発チーム

 今月のチームディスカッションは時間が限られていたため、例会最終の枠で実施する新事業開発チームセッションの運営についてメンバー間で位相合わせしました。
 次月以降は、チーム内であらためて検討テーマをディスカッションします。

ブランドチーム

来月のブランドチームセッションの内容についてディスカッションしました。3つの案のうち、これまでチームディスカッションで紹介してきた「ブランディング事例コンテスト 入賞事例」を紹介することとし、そのフォーマットを作成しました。

情報発信チーム

情報発信チームでは「ビジネスの課題と可能性を顧客視点で」設定できるようになるために、カスタマージャーニーマップの制作に取り組んでいます。9月の定例会では、午前中にオンラインで分科会をした上で、定例会の分科会中でもワークショップを進めました。前回はターゲットの設定まで行いましたので、今回はペルソナを作りこみ、STEP3の「行動を洗い出す」を行いました。ブレスト形式で各自がペルソナの行動を細かく分析していきました。ペルソナの課題認識、メカブを認識するきっかけなど、購買に至るまでのあらゆる行動を洗い出し、ステージ別に整理をしていきました。次回も定例会とは別に分科会を設け、いよいよゴールであるカスタマージャーニーマップに落とし込みをしていきます。

売上拡大チーム

売上拡大チームでは、過去に作成したコンテンツについて、活用方法についての

議論を行った。今月は参加者が少なったことから、活用方法の意見出しを行い、

来月さらに今回参加出来なかったメンバーを加え、具体的な方針・方法について議論していく。

•これまで作ってきた5つコンテンツの活用方法について議論

•コンテンツのコンセプトとしては、(新人)診断士向けの診断ツール、虎の巻ようなものでは

•中小企業の社長自身(一人で)が使うには、難しい。

 資料をそのまま渡しても、ピンとこないので、診断士の解説が必要。

•売上拡大チームのそれぞれが活用した事例を集めてみる。

3.最後に

当研究会では、新入会員に対して積極的に発表や活動の機会を得てもらおうというスタンスで運営されています。また、研究会内各チームの活動についてもそれぞれのテーマに真剣に取り組んでおり、中小企業にとって必要な支援策を生み出そうという気概に溢れた仲間が集まっています。ご興味を持たれた方は、ぜひ一度体験見学会にご参加ください。

(以上)