前回は、アポイント、情報収集、資料の準備、商談の開始段階でのポイントを見てきました。
今回は、プレゼンテーション、クロージング、アフターフォロー段階でのポイントを見ていきましょう。
プレゼンテーション段階
プレゼンテーション段階では、商談相手の関心、注意を維持しにくい点が課題です。
これに対して、商談相手の関心を高める話題と、集中力高める環境を提供する点がポイントです。
まず、商品・サービスの特徴を説明するだけでなく、それらを通じて商談相手が、どのようなベネフィットを得られるかに焦点をあてることです。さらに、できるだけ相手の同業者への導入事例を紹介することで、興味を引いてください。
また、商談相手からの意見が引き出せるように「KAIKAK(カイカク)モデル」を使って積極的に働きかけてみましょう。
K:確認 「〇〇様、聞こえていますか?見えていますか?」
A:挨拶 「〇〇様、おはようございます!」
I:意見 「〇〇様、何かご意見ありますか?」
K:気づき 「〇〇様、何かお気づきの点ありますか?」
A:アイデア 「〇〇様、何かアイデアはありますか?」
K:懸念 「〇〇様、何か懸念点や不明点ありますか?」
なお、商談時間は最長でも1時間、できれば30分程度に留め、相手からのフィードバックや質疑応答になるべく時間を割いてください。
クロージング段階
クロージング段階では、商談相手の本音が聞けずに次回商談に誘導しにくい点が課題です。
この段階で、相手企業が、まだ情報収集の段階か、それとも具体的な導入検討段階に入っているのかを見極めて、こちら側の対応も変える必要があります。
相手の検討段階を確認するためのテクニックとして、「競合製品を知っているか」質問してみる手があります。もしも競合製品の情報を入手していれば、具体的な導入検討段階に入っていると考えられます。
また、「キーマンが誰なのか?」「提案内容や見積もり提示額に対する評価がどうなのか?」対面商談では場の雰囲気から確認することができましたが、オンライン商談でそれができません。
このような時は、前述の「KAIKAK(カイカク)モデル」を使って、ずばり商談相手の意見を伺ってみましょう。
「〇〇様、ご提案内容について、何か懸念点や不明点ありますか?」
「〇〇様、今回の案件の予算感としてはどの位の規模を想定されていますか?」
提案内容や予算に関する反応が確認できるか否かがその後の明暗を分けてしまうので、勇気を出して、積極的な働きかけを行いましょう。
アフタフォロー段階
商談を進める上で、オンラインだけではお客様との関係性強化が難しい点が課題です。
これに対しては、全ての営業活動をオンライン商談に置き換えるのではなく、オンライン商談と対面商談を組み合わせることを念頭に置いてください。
工作機械や機械部品など生産財の販売を例にあげれば、契約に至るまでに複数の関係者の承認が必要になるため、その都度、的確なフォローが必要になる場合が多くあります。
これら生産財については、対面販売が必要だと言われていますが、オンラインを使えば、移動時間をかけずに、こまめなフォローが可能となります。このように、適切なタイミングでオンライン商談を加えていくことで成約率の向上につなげられます。
商談場面での会話例
ご参考までに、オンライン商談において、一番ネックになりそうな「相手企業の本気度を確かめる」場面を想定して、望ましい会話例を上げます。
まず、「課題が解決できるイメージが湧きましたか」といった質問で、商談に対して相手の集中度を高めてください。
次に、「どれが貴社で最も活用できそうですか?」といった質問で、相手の理解度、興味の度合を測ります。ここで、具体的な返事が返ってこないときは、あなたのアプローチが良くないと思ってください。
まとめ
ここまで、「オンライン商談」の7つのポイントを紹介してきました。
営業活動において、生産性の向上を実現するために、今後、オンライン商談はより普及していくでしょう。
もしも、オンライン商談について、もっと詳しく知りたい方がいらっしゃれば、当研究会までお問い合わせください。
オンライン商談は自社にマッチするのか、具体的な導入方法や活用イメージが知りたい、
営業マンのオンライン商談スキルを高めたい、といった疑問や要望にお応えして、実践的なノウハウをご提供します。
小川直樹
神奈川県中小企業診断協会/マーケティング実践研究会