2025-4-26 定例会報告

4月26日の定例会では、令和7年度のキックオフとして、新入会員向けに、研究会全体の本年度目標の共有と各チームの紹介を実施しました。

1.実施概要

開催日時

2025年 4月26日(土) 14:00-17:00

実施方法

神奈川県立かながわ労働プラザ(エルプラザ)第3会議室

1. 研究会全体の今年度の目標

【マーケティング実践研究会とは】
マーケティング実践研究会は、マーケティング理論を実践の場で試し、課題解決型のプロジェクトを通じて中小企業支援や地域社会への貢献を目指す勉強会です。参加者は中小企業診断士を中心とした実務家が多く、企業支援の現場で活かせるマーケティングスキルの習得を目的に集まっています。活動は少人数制のプロジェクトチームに分かれ、それぞれが実際の企業や団体を対象に「実際の課題」に取り組む形式で進められます。特徴は、知識の習得だけでなく、仮説検証、施策実行、効果測定といった一連のプロセスを経験できる点にあります。

【昨年度の活動内容】
2024年度は5つのチームがそれぞれのテーマでプロジェクトを推進しました。ブランドチームは企業向け研修プログラムの新展開、情報発信チームは社会課題解決型ビジネスのマーケティング支援、新事業開発チームは口コミ点数upを目指したホテル朝食の改善、売上拡大チームは新モビリティ事業の販路開拓、スポーツマーケチームは新スポーツの国内普及、コミュニティマーケティングチームはファンコミュニティ形成支援に取り組みました。各チームは定期的に進捗報告や成果共有を行い、メンバー間での知識共有や相互フィードバックを重ねました。また、ランダム化比較試験などデータに基づく検証手法も積極的に取り入れ、マーケティング施策の効果を科学的に評価する姿勢を大切にしています。昨年度は全チームがプロジェクトの成果を発表する場を設け、チームの枠を超えた学び合いの機会となりました。

【今年度の目標】
2025年度は、昨年度の実践経験を土台に、さらに「社会的意義」と「実効性」に重きを置いたプロジェクト運営を目指します。各チームのテーマは継続・発展しながら、プロジェクト成果の発信やアウトプットの質向上に力を入れます。研究会全体としては、外部発表や支援先企業との連携強化、他の専門家・団体とのネットワーキング機会の創出も視野に入れています。また、見学者や新規メンバーが活動に参加しやすい環境を整えるとともに、メンバーがリーダーシップやファシリテーション能力を養える場となるよう、運営面の充実も図ります。

マーケティング実践研究会は、実践を通じて学び、成長し、地域社会に貢献する「学びの場」であり「挑戦の場」です。中小企業支援の現場で自らの力を試したい方、マーケティングを実務に活かしたい方の参加をお待ちしています。ぜひ一度、体験見学会にご参加ください。

2. 各チームの活動

ブランドチーム

 ブランドチームでは、株式会社和えるの企業向け研修プログラムの新展開について検討を進めた結果、企業ニーズと株式会社和えるの強みを融合した「管理職の1on1スキルアップ研修」と「若手のキャリア研修」の2つのコンセプトを開発しました。この2つの研修プログラムを一般企業の管理職にフィードバックいただき改善を加えた上で、株式会社和えるへ最終報告いたしました。

 株式会社和えるからは、「管理職の1on1スキルアップ研修」を新たなプログラムとして展開し、社内で実証していくとのコメントをいただきました。

 今年度については、横浜システム工学院専門学校に対し、市場調査・コンセプト設計・プロトタイプ作成・実地支援を行う計画です。

新事業開発チーム(Aホテル)

4月定例会では、研究会全体向けの【2024年度活動報告】と、チーム別ワークとして【2025年度活動内容議論】を実施しました。

【2024年度活動報告】

2024年度は、ホテル・飲食・アミューズメント施設等を経営するA社に対し、実践的な支援活動を行いました。テーマは、旅行サイトでの口コミ評価向上を目的とした「ホテル朝食改善プロジェクト」です。

当チームは実際にホテルを訪問して現地視察を行い、宿泊客のセグメントを設定した上でアンケート調査を実施。その結果をもとに、社長および料理長に対し具体的な改善提案を行いました。

我々の提案を積極的に採用いただいたホテル側の改善努力と、継続的なフィードバックの結果、旅行サイトでの口コミ評価は5段階中0.6ポイントの上昇を記録!プロジェクト開始時に設定したKPI「2025年8月までに4.5点を獲得」を達成見込みとなっています。

【2025年度活動内容議論】

引き続きA社と連携し、新たなプロジェクトとして「アミューズメント施設を舞台とした企業と学生の交流拠点の立ち上げ」を構想しています。

大学近郊にあるA社のアミューズメント施設内に、企業と大学生をつなぐ「キャリア形成支援の場」を創出する構想です。この「場」が、キャリア形成支援にとどまらず、将来的には新たな価値創造や地域活性化にも繋がるような構想も描いています。

4月の定例会では、この新しい構想についてメンバー間で共有し、実現に向けた議論を開始しました。今後は、A社社長も交えてさらに議論を重ね、具体的なプロジェクトテーマの設定や計画策定を進めていく予定です。

情報発信チーム(社会課題解決型新事業『1piece for 2PEACE』)

情報発信チームは、物流企画会社S社の新規事業「1piece for 2PEACE.」の支援を行っています。この事業は、障がい者就労支援施設で製造されたクッキーを企業内で販売し、その売上の一部を生活困窮者支援に寄付するものです。

4月26日の定例会において、情報発信チーム内で、5月のゴールデンウィークに赤坂TBSで開催される「地球を笑顔にする広場・2025春」に「1piece for 2PEACE.」として出店することに関する情報交換を行いました。

売上拡大チーム(BtoBの新規顧客開拓に特化した支援ツール)

 昨年度は、関係先企業S社の小型EV車(NINA)の用途、販売先等の拡大支援プロジェクトを行い、統制群を従来のNINAのターゲット及びコンセプト(高齢者向け、低ランニングコスト、非常電源)とし、措置群(改善案)として、(動く広告媒体としての利用、遊園地、キャンプ場等の広い施設内の移動手段)を設定し、S社に報告及び提案を行うことしました。

 本年度は、関係先企業を持たず、BtoBの「新規顧客開拓」に特化した経営支援ツールを作成し、noteを用いて発信していくこととしています。

 前半は、基礎編として、まずは各メンバーのこれまでの経験に基づくノウハウ等に関する情報発信を行っていく予定です。また、後半は応用編として研究会の既存の成果物を活用しながら、アパレル関連のOEM/ODMをモデルに、「新規顧客開拓」の経営支援ツールを作成し、発信していく予定です。

スポーツマーケチーム(ProPadel Japan株式会社様とパデルを盛り上げる)

ProPadel Japan株式会社様と共に、世界規模で急成長するスポーツ「パデル」を国内でも盛り上げるため、認知度・利用人口増加、神奈川県のパデルコート増設をミッションに活動しています。

今回は会社員が仕事帰りに「気晴らしに参加する」ケースを想定し、参加意向に影響を与える差別化要因を仮定してランダム化比較試験のシミュレーションを実施しました。まず、参加意向に影響を与える要因として①気軽さ、②おしゃれ、③リフレッシュ、④社交・コミュニケーションを選定しました。そこから、パデルが他のアクティビティとの差別化要因になり得ると考えた「ルールが簡単」「飲食しながら遊べる」「人との新たな出会い」を処置群に設定し、これらを強調することで統制群と比較して対象の参加意向が高まると仮定しました。

コミュニティマーケティングチーム

第3回目の打ち合わせとなる今回は、発足(25年2月)からこれまでの活動と、これからの活動の展望について研究会の皆様にお伝えいたしました。これまでの活動として、WBCラボ様との打ち合わせの様子などを中心に、特に、デザイン思考のステップ1にあたるチャレンジを探すプロセスについて報告し、これからの活動として、大学向けキャリア支援活動についてお伝えしました。その後、チーム内打ち合わせで、新規参加された方を交え、自己紹介、現在のステータスの共有などを行いました。

3.最後に

当研究会では、新入会員に対して積極的に発表や活動の機会を得てもらおうというスタンスで運営されています。また、研究会内各チームの活動についてもそれぞれのテーマに真剣に取り組んでおり、中小企業にとって必要な支援策を生み出そうという気概に溢れた仲間が集まっています。ご興味を持たれた方は、ぜひ一度体験見学会にご参加ください。

(以上)